下記の記事の続き(補足)です。
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参考「ひとりぼっち」のとき問題は起きやすい その1
心理学では、問題が起きるときは「ひとりぼっち」であると言います。 例えば、職場に苦手な人がいるとき。自分にだけ冷たい・厳しい人がいるとき。 なんて私にだけ? と疑問が出るし、嫌な気持ちでいっぱいになる ...
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精神的にひとりの時は、問題が複雑化しやすいですよというお話でした。
人の力を借り「話す」ことでラクになることは本当に多いのですが、その一方で誰かに話してみたところ、かえってつらくなった経験をしている人もいると思うのです。
例えば、話を聞いてもらいたいと思っていたのだけど、アドバイスが返ってきて「なんか違う……」ともやもやしちゃったとか、こちらの状況がなかなかわかってもらえなかったとか、自分が期待していたものではない結果になることもありますよね。
そうすると、「こんなことなら、話さない方がよかった」と思ってしまうこともあるかもしれません。
話を聞くのって実はとても難しかったりします。カウンセラーになり、しみじみ感じています。
なので、いくつかポイントをお伝えします。
話す相手を選ぶ
まず、話す相手を選ぶことが大事なんです。誰でも良いわけではないですからね。
相性の良い、信頼できる人を選ぶこと。あなたの価値や可能性を信じてくれる人がベストですね。(ちなみにカウンセラーも人ですから、やはり相性というものがありますよ)
弱っているときには、優しく受け止めてくれる人を選ぶようにしたほうがいいかもしれません。物の考え方・捉え方は人それぞれなので、厳しい見方をする人もいますしね。
自分の悩みを全部まとめて話せる人をつくってみるのも良いですし、例えば、恋愛はこの人、職場の悩みはこの人、優しくしてほしいときはこの人、背中を押してほしいときはこの人と、テーマごとに話す人をわけている方もいらっしゃるようです。
まずは1人。そして少しずつ人数を増やせるようになるのが理想です。
それから、話すタイミングです
一般的にみて、私たちが人の話を十分に聞けるのは心に余裕があるときです。
忙しかったり、悩みがあったり、大変なことがあったりすると、やはりどんな人でも余裕をなくしますので、余裕のある人や、余裕のあるタイミングで話を聞いてもらうのがいいですね。
(私は職業柄、自分自身の心のケアを重視していますが、それはカウンセリングをご提供するにあたり、フラットなマインドをつくっておくためです)
話を聞いてもらいたい側に事情があるように、話を聞く側にもさまざまな事情がありますから、時と場合によってはうまく聞いてもらえないこともあります。
なので、一回で全部うまくいくというよりは、何回もチャレンジしてみるという気持ちでいたほうがいいかもしれません。
話す目的を明確にしておく
「話したのになんかもやもや……」というすれ違いを防ぐために、しっかり話を聞いてほしいときは最初に目的を伝えておくと、なおGOODです。
大きく分けると、ただ聞いてもらって寄り添ってほしいのか、それとも、解決策まで欲しいのか。
自分がどちらを望んでいるのか自覚しないまま話し始めるケースもありますが、自分が何を求めているのかをわかっておいたほうが、相手のためにもなるかなと思っています。
私は旦那さんに話をするときは、毎回ではないですが、「〇〇を話したい」「解決策ください!」「聞いてくれればそれでOK」など、使い分けて伝えています。
どうやら、その方が話の着地点が見えるので安心するみたいです。
もちろん相手によっては、言わなくても察してくれる人もいると思いますが、そうではない人もいますからね。
なぜアドバイスをしてくる人が多いのか
私が提供しているカウンセリングは提案型ですので、お話をじっくり聞いた後は、どうしていけばよいのかアドバイスをさせて頂いています。
でもアドバイスって、案外難しいんですよね。
アドバイスするには信頼関係が必要ですし、相談している側にアドバイスを受け入れる心の余裕があることが前提となります。
みなさんも経験があると思いますが、悩みを打ち明けられた側は、責任感が強い人や面倒見の良い人ほど「何とかしてあげないと!」と思います。
相手の顔が悲しそうだったら、笑顔にしてあげたいと思うし、悩みを解決してあげたいと思うのです。つらい話を聞いて心を痛めたら、その痛みから逃れたいと思うこともあるでしょう。
早く何とかしてあげたいと思うあまり、話を聞くのをすっ飛ばして「こうしたらいいんじゃない?」と早々にアドバイスをしてしまうわけです。
もちろん信頼関係があったり、状況によってはそれで成り立つ場合もあるのですが、アドバイスがほしいわけではないのに…ともやもやするケースも多いですよね。
私の経験上では、解決策を本当に求めている人は「それで、どうしたらよいと思いますか?」と具体的に聞いてきます。
なので、自分がどういう目的で話したいのかわからないときは、「話を聞いてもらって寄り添ってほしい。私の気持ちをわかってほしい」と思っているケースがほとんどです。
実際のところ、アドバイスがなかったとしても、話すことで心の中が整理されれば、自分で解決のために行動を起こす程度の余裕が出てくることも多いのです。
聞く側のそういった心理を知っておくだけでも、話す目的を明確にすることが大事であることがわかりますよね。
少し余談ですが
もしあなたが聞く側になったときは、相手からの「アドバイスがほしい」という言葉がないときは、「何とか解決してあげなくちゃ」と焦るよりも、解決する力は相手の中にあることを信頼し、寄り添うことに重点をおいてみると、とてもよい時間になると思います。
最後に。
話を聞いてもらったら、ありがとうの感謝の言葉を忘れずに。話をする側も聞く側も気持ち良くあれたらいいですね。