自己肯定感を上げましょうという話は、心理学をかじったことのある人ならよく聞くと思うのですが、いつまで経っても自信が持てない、自己肯定感がアップしていかないというときは、もしかしたら「自分に対する厳しさ」が原因かもしれません。
きっと、意外な感じがする人も多いんじゃないでしょうか。
私もうまくできなくて凹んでいたときに「綾ちゃんは自分に厳しすぎる」と言われたことがあって、そのときは全然自覚がなかったので「え??どういうこと?」となったのですが、自分に厳しいと粗ばかり見えてしまうんですよね。
80%くらいは良い出来で満足できたとしても残りの20%が気になってきて、そのうち、良かったことは忘れてダメな部分やできていない部分で頭の中がいっぱいになってしまいます。
向上心があるのはすごくいいことなのですが、できたところもちゃんと認めてあげて、できてないところも受け止められるというのが一番バランスが取れますし自己肯定感もアップします。
でも、自分に厳しいとできてないところばっかり見えちゃうのですよね。
彼にやさしくできなかったとか、仕事がきっちりできなかったとか…そういうお話を聞くたびに「どれだけ意欲があるのだ」「どれだけ優しくしたいんだ」と思うこともしばしば。
自分に厳しくしておかないと怠けてしまいそうという不安を持っている方もいるのですが、そういうことを気にする人は自分を律する力がすごくあるのでそもそも怠けない人がほとんどです。怠け者という自己概念はどこからやってきたんでしょうね?
またこんな見方もできます。
「厳しくしておかないと自分を理性的に保てない」と思うほど、何かを我慢しているのかもしれませんよね。やりたくないことをやっているとか自分に嘘をついていることが何かあるのかもしれません。
自分に厳しいのは一見するといいことのように思えるのですが、自分に対する扱いと他者に対する扱いは基本的に同じですので、自分に厳しいと、他人にも厳しくなります。
自分を許せていないのと同じように他者の粗も気になります。
例えば、掃除が苦手でそういう自分が嫌だなと思っている人がいたとしたら、自分と同じように部屋が散らかっている人を見たら、嫌な自分を見せられたような気がしてイライラしますよね。
人に対して寛容な人は自分に対しても寛容です。自分の良いところも悪いところも、ひととおり受け入れられていると「あの人って、何か許してるよね」という雰囲気がにじみ出てきます。
自分に優しくなると(自分を認められるようになると)人間関係においてもイライラすることが減るのがうれしいおまけですね。
自分に優しくといってもピンとこないかもしれませんが、自分のできているところをちゃんと認めるというイメージです。
今まで自分に厳しくやってきた人なら年単位で昔を振り返ると、上達していることやできるようになったことがたくさんあるはずです。
それらを当たり前と思うのではなく、私よくがんばったなぁ~とちゃんと承認してあげることですね。そして、できていない部分についてもダメ出しするのではなく、できていない状態をありのままで受け入れておきます。
これから成長する余地がある部分ですし、もし短所で変わらない部分だとしても愛嬌というか自分の愛されポイントにもなりますからね。
確かに頑張ってたこといっぱいあったなぁ…と思ったら、少しはホッとするのではないでしょうか。