「しっかりしてるよね」「やさしいよね」など、一般的には言われて嬉しいであろう褒め言葉が嬉しくないと感じることもありますよね。
しっかりしてるねと言われたら「いつもしっかりしていないといけない」と感じたり、やさしいよねと言われたら「いつもやさしい自分でいなくてはいけない」と感じてしまうことも。
もしそんなふうに感じたとしたら、ひどく窮屈ですよね。
本当は抜けてるし自分的にはしっかりしてないんだけれど、「しっかりしなくちゃ」と思って自分を律してきたような場合では、無理して「しっかりさん」になっていたりします。
すると、褒められても素直に受け取りづらく、「しっかりしてるね」がまるで自分を縛る言葉のように感じます。
「あぁ、やっぱり私はしっかりし続けないといけないのか…」と気負ってしまうことも。
子どもの頃の家庭環境などで、しっかりしないといけないような状態だった場合は
「本当は甘えたいし、子どもらしくいたかったのにできなかった」という気持ちが今でもくすぶっていることがあります。
こうした本音を飲み込んでいると、「誰も本当の私のことなんてわかってくれないなぁ」と拗ねてしまったりするのです。
もちろん褒めた側は純粋に思ったことを口にしただけで、そんなつもりで言ったわけではないんですけどね。
褒め言葉が苦しいときは、自分を自由にしてあげるチャンスかもしれませんよ。
人から言われたことが妙に気になるときって、自分自身がそのことについて誰よりも気にしていたりするのです。
「しっかりしていない自分」「いつもやさしくいられない自分」に対して✖(バツ)をつけているようですよ。
もし「おっちょこちょいな自分」「傷つきやすい自分」「拗ねてる自分」を出してしまったら、周りから受け入れてもらえないし、きっと嫌われてしまうだろうという恐れが根底にはありませんか?
でも本当にそうでしょうか? 完璧な人は誰もいないですからね。
むしろ、今まで「しっかりしよう、やさしくあろう」と思って頑張ってきた自分をしっかり承認してあげたいですよね。
不完全な自分の裏には、ひたむきに努力してきた自分がいるということを忘れないでいたいですね。