私たちは自分が見ている世界が真実だと思いがちなのですが、心を扱う世界にいますと、「本人にとっての世界」があるだけで、真実とはあまり関係がないことに気付かされるんです。
人は怖い、という世界にいる人は、出会う人はみな自分を傷つけ責める人のように見えるし、人は優しい、という世界にいる人は、出会う人はみな自分に親切にしてくれるように見えますし、全ては物の見方次第だなと感じるんです。
例えば会社を辞める、というのは大きな決断ですよね。
職場の人とあまり話をしていなかったけど、辞めるということが周りに知れ渡ったら、話しかけてくれる人が出てきて案外仲良くなってしまった、ということもあるんです。
私は転職した経験があるんですが、当時勤めていた会社を辞めたときも、それまでほとんど話をしたことのないような人から熱い想いのこもったメッセージを頂いたりして
自分は関心を持たれていないと思っていたのに、意外にも見てもらっていたんだなと気付いてすごく嬉しかったことを覚えています。
もう間もなく辞めるというのに情が芽生えてしまい、会社を去ることが寂しくなったり、今の状態ならもっと会社にいれたかもしれないなと思ったり、勿体ないような複雑な気持ちになったものですが(とはいえ、転職する理由には関係がなかったので、辞める意思は揺らがなかったんですが)
これは世界の見方が変わった一つの事例だと思うんですね。自分が思っていたよりも、案外愛されていたんだなという。
会社って、多くの人が働いていて、毎日同じように業務をこなして日々が過ぎていって、嫌なことも起きるし周りに愛があるなんて気付かないことも多いと思うんですが
会社にいる間は守られていたりもしますし、辞めるって決めたことによって愛に気付くこともあります。
自分が今見ている世界に、愛がないように感じてしまうときもきっとあるんだと思います。
今の自分には見えないだけで。人は思っているよりも優しいものですしね。