心理学講座を更新しました。
「自分だけが幸せになる」というのは私たちはあまり好きではないようです。
恵まれていてごめんなさいという罪悪感は、大切な人たちも一緒に幸せになりたいと願う気持ちから生まれているともいえますね。
幸せになりたいのに躊躇したくなるような気持がある人へ、参考になればうれしいです。
※【心理学講座】とは・・・
カウンセリングサービスの基幹コンテンツ。カウンセリングの現場から学んだ「心の法則」をわかりやすくご紹介するものです。
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「恵まれていてごめんなさい」の罪悪感があると苦労性になりやすい
幸せになりたいのに躊躇してしまうとき、私たちの中には「恵まれていてごめんなさい」という罪悪感があるようです。
この罪悪感があると、なぜか苦労性になったり、才能を発揮せずに自分を隠すようになったりして、幸せからは遠ざかってしまいます。
どうやったら罪悪感を手放していけるのか、ヒントをご紹介します。
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こんにちは。
今日の心理学講座はカウンセリングサービス『高見綾』が担当します。
「恵まれていてごめんなさい」の感覚があると、苦労性になってしまう
まわりの人はみんな苦労しているのに、自分は簡単にうまくいったり、お金を稼ぐ才能があったり、お仕事環境や人間関係に恵まれていたり…。
そんなふうに、「どうやら私は恵まれているみたいだぞ」と思うと、罪悪感を持ってしまうことがあります。
「いいわよね、あなたは」と言われると、罪悪感が刺激され、自分にも何か苦労していることはないかと探そうとしてしまいます。
「いやいや、私だってこんな大変なことがあってね…」と、苦労話をしたくなるのです。
私たちは、「自分だけが幸せ」という状況は嫌なのですよね。自分のまわりにいる人たちも一緒に幸せになりたいと願っているわけです。
なのに、どちらか1つしか選べないような気がして心苦しくなってしまうようです。
運がよくてすみません、才能があってすみません、という罪悪感があると、親から愛されて
経済的にも困ったことがなかったのに、なぜか苦労性になったり、自分の才能を発揮せずに
くすぶり続けてしまったりといったことが起きやすくなります。
罪悪感は、本来の幸せを阻むとても厄介なものなのです。
ではどうしていけばいいのでしょうか。
恵まれた資質をどうやって分かち合うか?
まず、「私はどうやら恵まれているらしい」ということを素直に受け入れること。そして、自分はまわりの人に何ができるかを考えてみましょう。
「恵まれていてごめんなさい」という罪悪感を手放していくためには、自分の恵まれた資質を活かして貢献し、いいものを分かち合うという視点が必要です。
自分だけが幸せになると考えると気分は良くないですが、自分もみんなも幸せになっていいのだと思えば、ずいぶん楽な感覚になりませんか?
才能があれば、才能を使ってみんなに貢献していくこともいいですし、人間関係に恵まれているのなら、いつもにこやかに過ごしたり人の話を聞いたりすることで、まわりの人に良い影響を与えることもできますよね。
お金に恵まれているのであれば、プレゼントをしてもいいですし、そのお金で一緒に楽しむことを考えてもいいですね。大切な誰かの幸せを応援するのもいい方法です。
もちろん自分のできる範囲で構いません。「分かち合う」「貢献する」という視点を持てると、恵まれていることは悪いことではなく、むしろ有難いものであるとわかります。
大切な人の光を見続ける
「恵まれていてごめんなさい」の罪悪感に苦しむ人は、家族に苦労性の人がいるケースが少なくありません。
たとえばお母さんが苦労性で、今でも愚痴が多く幸せそうには見えないという場合は、自分が幸せになるとお母さんを置いてけぼりにしてしまうのではないかという恐れが出てきます。
そんなときは、お母さんと痛みでつながっている状態です。
しかし、人とつながるときは、様々なつながり方があります。痛みに共感することもできますし、希望を一緒に見ることもできます。
罪悪感を手放して一緒に幸せになっていきたいと思うのなら、痛みでつながるのではなく、大切な人の光を見続ける、というつながり方がオススメです。
カウンセラーはこの見方をよく使うのですが、現状がどうであれ、大切な人の才能や魅力、価値を見続けてみましょう。
お母さんのいいところはどこですか?お母さんにはどんな才能や魅力があり、価値があるのでしょうか?
今はうまく発揮されていなかったとしても、必ず何かあるはずです。
私たちは、「いい私」を誰かに見つけてもらいたいものなのです。もし見つけてもらえたなら、それが大きな力になります。
そして、お母さんには自分で自分を幸せにする力があるのだと信頼してみましょう。
心配するのは自分のためですが、信頼するのは相手のためです。
「恵まれていてごめんなさい」があると、私たちは無意識のうちに自分の恵まれた資質を隠したり捨てたりしようとしますが、そうではなく、恵まれた状態のまま、その場所で、あなたの大切な人の光を見続けてみてください。
光を見続けてくれる人がいることが、あなたの大切な人にとっては、大きな力になりますよ。
(完)