職場で「これできません~」とあっさり言っちゃう人を見ると、よくそんなこと気軽に言えるな……とびっくりしたり、甘えたがりでかまってちゃんな人を見ると、なんだか面白くないって感じたり。
そんなふうに、依存的な人を見るとイライラするというお話をお伺いします。
街を歩いているときに、お母さんに甘える小さい子どもを見て、「こんなこと言うのは心が狭いと思うんですけど……無性にイラっとします」とおっしゃる方もいます。
私たちは、自分が禁止していることを平気でやってのける人を見ると、「それ、私はやってないのに!」と感じてイライラするという心理があるんですよね。
つまり、さまざまな事情で禁止せざるを得なかったんだけど、本当は自分もやりたかったのにという気持ちが隠れていることが多いんです。
甘える子どもにイライラする人は、もしかしたら自分が幼い頃に親に十分甘えることができなかったのかもしれませんよね。
職場で「できません~」と甘える人にイラっとする人は、きっとお仕事に強い責任感を持って取り組んでいる方だと思うんです。だから、頼まれたら引き受けるし、出来る限りのことをやろうとするから、無理ですなんて言うことも、もしかしたらないのかもしれません。
他人の中にある依存心を嫌う人は、実は自分の中にある依存心も嫌っていることが多いんですね。(そう、他人の中に見出しているものは、自分の中にもあるんです)
だから「あんなふうにはなりたくない」と思うこともあるでしょうし、できるだけ依存的な自分を出さないように律して過ごしている人が多いんじゃないでしょうか。
でも、いつも気を張って過ごしているから、ちょっぴり疲れてきているのかもしれませんね。
本来、依存心は誰の心にもあるものなので、大人が持っていてもおかしくはないんです。
あとはバランスの問題ですね。いつも依存的なポジションにいるとか、いつも自立的なポジションばかりだと、関係性が固定化されてしまってお互いに疲れちゃうので、あるときは依存で甘えて、あるときは自立でひっぱって、というように、交互に行き来できたほうがバランスが良いのです。
依存的な人を見るとイライラしちゃうという人は、もれなく、めちゃくちゃ頑張り屋さんです。努力家で向上心もあります。
だから、そんな頑張っている自分を労う時間を持てたら最高ですよね。自分の素を出して甘えられる人がいたら一番いいのですが、こういうことを言うと、「甘えるって何ですか? どうしたら甘える状態になるのかわからないんです」と返ってくることがとても、とても多いです。
わかりますよ、私も昔は「甘えるって何ですか?」と同じ質問をカウンセラーにぶつけてましたからね。
もしかしたら、「甘える=依存=弱くなる=ああはなりたくない」みたいなイメージが強いのかな?と思ったりします。
確かに弱くなりそうだと思えば、今まで気を張ってしっかりしなくちゃと思ってやってきたのに、あれは何だったんだろう?と思ってしまうかもしれませんが、でも今までの自分を否定することでもないし、弱くなることでもないんですよね。
私の感覚では、どちらかといえば、甘えるとか依存するというのは、強がらずに自分を認め受け入れることであり、感情を解放することであり、信頼することでもあるのかなと思っています。
少し話を戻しますね。
イライラしない自分になろうとするなら、心の余裕がちょっと必要みたいです。
心の余裕をつくるには、頑張ってる自分をちゃんと認めて労ってあげること。
向上心の強い方は、「まだまだできてないこといっぱいあるし」と、できないことの方に注目しがちですが、できてることはその倍以上あるはずです。
できてないことは、これからの課題に取っておいて、まずはできたことを認めてあげたり、より良い自分であろうとして努力を積み重ねてきた自分自身を「よくがんばったね」と声をかけてあげませんか?
これができると、肩の力が抜けてゆとりが生まれるようになりますよ。自分一人でやるのは難しいという方は、もちろんお手伝いしますから遠慮なく私を使ってくださいね。