今日のテーマは「人は自分だけの真実の世界に生きている」。
そうであるからこそ、自分は自分の真実の世界を作っていけば良い、というお話をしてみようかと思います。
「人は自分だけの真実の世界に生きている」と聞いても、いまいちピンとこないと思うんですね。でもこれは実は、「投影」という心理法則を学ぶとわかることなんです。
私たちは同じ世界を見ていると思ってるんだけど、本当は、みんな自分だけの世界で生きてるわけです。投影というのはカンタンに言ってしまうと「自分の思考パターンや心の状態を、人やモノに映し出すこと」。
よく、夕焼けの例を出して説明することがあるんですが、ある人は「わぁ、なんて綺麗な赤い空なんだろう」と思い、またある人は「なんだか物悲しい赤い空だなぁ」と思います。
夕焼けは同じものなのに、見る人によって感じ方が違うんですね。綺麗だと思った人は、気分がよくて気持ちのいいフィルターを通して夕焼けを見ていて、もう一人の人は、物悲しく寂しいというフィルターを通してみています。その時の心の状態が夕焼けに反映されているんですね。
これが人に対しても応用されていくので、私たちは自分の色眼鏡で世界を見ているといっても過言ではないのかもしれません。事実はたった1つだけでも、その解釈の仕方は多岐にわたり、人の数ほど真実が生まれるというイメージです。
私は人間関係のご相談を受けることが多いのですが、例えば、AさんがBさんのことに腹を立てていたとしますよね。話を聞いてみると、確かにBさんの態度が結構悪かったりするので、そりゃ腹立つよなぁと思うんです。でも、Bさんの立場に立ってみると、Bさんがそんな態度を取るということは、BさんもAさんに何か怒っていることがあるんだろうなと思ったりするわけです。
トラブルが起きたことに関しては事実は1つであっても、Aさんから見たストーリーとBさんから見たストーリーは多分違うだろうということは想像がつきますよね。
もしAさんがBさんと仲直りしたいのであれば、自分だけの真実を見ているだけでは解決していかないと思うので、Bさん側から見たストーリーも理解していく必要はあると思うんです。
こんなふうに、人それぞれに真実が違うからこそ、揉めてしまったりするのでしょうね。
私が前の会社を辞めようと決意した後のことです。それまで散々悩んで悩んで悩みからかして、もう辞めよう！と決めた後、なんだかすっきりした気分になっていたんですね。その日はいつも通りの朝だったんですけど、玄関の扉をあけたときに、真っ青な空が目に飛び込んできました。
わぁーーーーーー。思わず声をあげるほど、雲がほとんどない本当に美しい空だったんです。それで思わず旦那さんに「今日の空、めちゃくちゃ綺麗じゃない？」と声をかけると「え？ いつもこんな空だよ。昨日もこんなんだったよ」と返ってきてびっくりしました。
そのとき私は、その日まで自分が空を見ていなかったことに気づいたんです。いえ、実際には見てたんだけど、目に入ってなかったというか、認識してなかったんでしょうね。会社の悩みで頭がいっぱいだったから。
もう辞めようと決めて心がすっきりクリアになったら、空の美しさにも気づくなんて、なんだか連動していますよね。私たちは、自分の見たいように世界を見て、感じたいように感じてるものなんだなと実感しました。
空ひとつでもそうなんだから、他のことなら尚更で、だからこそ人の数だけ物の見方や価値観があって、人の数だけ正解や不正解がある。このシンプルなことをなんとなく知ってるけど、でもなかなか腑に落ちないのが私たちですよね。
投影の法則から、みんなに自分だけの真実の世界があると知ることができると、相手の世界は相手のものだし、自分の世界は自分のものだとわかります。そう考えると、あまり他人の目を気にし過ぎてもしょうがないなって感じがしませんか？ あなたの世界では、あなただけが唯一、あなたの世界を作っていくことができるわけです。あなたが物事をどう考え、そして感じていくかは自分で選べるわけですよね。
私たちはどうしても隣の芝が青く見えることもあるし、周りの人から影響を受けて迷ってしまうこともあります。でも、もともと一つとして同じ真実がないのだとしたら、あなたはどんな世界を作っていきたいと思いますか？
最近、「後悔しないように生きるには？」「仕事、恋愛、家族、人間関係……自分はどう生きていきたいのか？」というようなテーマのカウンセリングになることが多いので、何かのヒントになればと思い今日のブログを書いてみました。
これって結局は、自分軸の話ですよね。心理学では、あなたの心の在り方が現実に投影されていると考えます。あなたが見たいように物事を見て、感じたいように感じられる世界です。心の在り方を整えていくことで、あなたの見える世界は変わっていくかもしれませんね。