お互いに生活のことは何でもできちゃう。精神的にも経済的にも自立していて大人なカップル。干渉しあうこともなく、それぞれが好きなことを追求している。
といえば聞こえはいいですが、付き合ったり結婚したりしてからしばらく経って落ち着いた頃、気づけば2人の間の距離がひらいていた、ということがあります。
仲はいいしケンカも滅多にしないけど、1人で生きている人が、2人いるというイメージ。
お付き合いしましょう、結婚しましょう、と言ってみたものの、2人で一緒に生きていくことの精神的な意味って、誰からも教わっていないので難しいですよね。
何かあっても自分で考えて気持ちを消化し自己完結することが癖になっている人は、感情やビジョン、今の思いを共有する、シェアしていくという発想をそもそも持っていないことが多いです。
そういえば、確かにパートナーには話してないよな、みたいな感覚です。
カウンセリングでいろいろな方とお話していると、案外パートナーと話をしていない人が多いなという印象です。
パートナーの仕事がうまくいっていないと「私がダメな妻だからだからかな」とひそかに罪悪感を感じているものの、そのことについて肝心のパートナーとは話していないとか。
仕事のことや今後どうやって生きていくかを悩んでいるけれども、パートナーにはそういった話はしていないとか。
まったく悪気はないのですが、自分の感情は自分で解決するものと思っているので、悩んでも自分で抱え込んでいたりします。
でもそういうときは自分で自覚している以上に、助けがほしいこともあるし、寂しかったり苦しかったりするのです。
いろいろな話や感情を共有せずにいても大きな問題が起こらなければ、そのままお付き合いは続けることができます。
でも問題がないことと、2人でいることでつながりを感じ、深く満たされていることは別物です。
問題がないから幸せなわけではないんですよね。
私自身も、カウンセラーの先輩からは、夫と話をしなさいと、何度も何度もアドバイスを受けていましたが、最初の頃は、なんでそうやって毎回言われるのか全然理解していませんでした。
でもお互いの近況や思いをシェアすることの意味は、じつはとてつもなく大きいのだと今はわかります。忙しくても10分だけでも、話ができるとやはりつながりや安心を感じるものです。
パートナーと心がつながっていると感じられることが、パートナーシップの醍醐味ではないかなと思うんですね。
つながりを感じられると、お互いの仕事やプライベートにもいい影響がもたらされます。つながると、エネルギーが交換できるので、人は元気になるんですね。
自分がいつもエネルギーを充電させていい状態でいられるようになるのも大きなポイント。
今の時代は変化が早いです。価値観も急速に変わっています。人は思いをシェアしていないとパートナーはいつの間にか考え方が変わっているのに自分だけは昔のままだったり、
またその逆もあります。
思いをシェアすることは、お互いの状況をアップデートしいつも新鮮な状態でつながり合う
効果もあるんですね。
また、パートナーに遠慮して話せていないことがあると、2人の間には距離ができ、その距離は付き合った年数が長ければ長いほど恥ずかしさが増すので埋めていくのに勇気が要るようになります。
お金のこと、そして夫婦生活のことは、特にナイーブで話しにくい問題です。この2つについて話しあえる様な関係であることが理想ですね。
いろんな感情や感覚を共有し2人のビジョンを持ち、分かち合いながら生きるという感覚。
付き合って落ち着いた頃が一番距離ができやすいので、その都度アップデートしていきたいですね。