日常に役立つ心理学

ネガティブな感情を嫌っていると起こること

2020年5月8日

腹を立てること、誰かを嫌うこと、何かに対して嫌だなと思うこと。そういったネガティブな感情を嫌ってできるだけ感じないように抑圧していると、逆に黒い感情は勢力を増してしまうって知っていましたか?

こう聞くと、なにやら怖い話のようですが、実際は全然怖くないので安心してくださいね。

怒ることが苦手と言う人は、家族や身近な人で怒りんぼさんや主張の激しい人がいて、さんざん嫌だなぁという体験をしてきていたりします。

あんなふうに怒るなんて迷惑だ、すごく気分が悪くなると自分が感じているので、いざ自分が怒りたくなったときにブレーキがかかってしまうのですよね。

もちろん原因はそれだけではないパターンもあり、自分の素直な気持ちをシェアできる環境になかった場合や、我慢しなさいと育てられてきた場合なども、自分の感情を抑圧する要因になっていることもあります。

ポジティブがよいというイメージが一般的には強いですが、本当に前向きになれる人というのは自分のネガティブな感情を素直に認めちゃんと向き合って消化していける人だと思うのです。

消化したり乗り越えてきたりしているから、さわやかなポジティブに見えるだけで、その人にネガティブな面がないということではないんですよね。

ネガティブな感情を見ないふりして抑圧していると、いつまでたってもその感情はなくならないでくすぶり続けます。

感覚としては、なんだかもやもやする~嫌な感じがする~みたいに、胸につかえがあるようにすっきりしない状態になりますね。

そのまま放置すると、どんどん嫌な感情は溜まっていくので、ちょっとした刺激にも敏感に反応するようになります。突然怒り出してしまったり、話し合うことなく関係を切ってしまったり…。

ネガティブな感情を持つ人を嫌っているのに、むしろ自分がそういう人になってしまう恐れがあるのです。

怒り、悲しみ、悔しさなどのネガティブな感情は、自分の存在に気づいてほしくて「私、ここにいますよ~」とお知らせしているわけです。

感情には順番があって、まず、詰まっているネガティブな感情を先に出さないと、次に進めないことってあるのです。

女性が話を聞いてほしいと思うときは、自分の中にあるぐちゃぐちゃしたものを外に出して受け止めてもらうことではじめてすっきりして「私、実はこうしたかったんだぁ」「怒っていたと思ってたけど本当は仲直りしたかったんだ」など、本当の気持ちが見えてきたりしますよね。

感情の最下層にあるのは「愛と親密感」の層だと言われています。

そこに到達するためには表面意識にあるネガティブな感情を通っていかないといけないのです。

よくカウンセリングでも、最初はある人に対して不満を持っていても、ネガティブな感情を吐き出していくと、その先にあるものは温かい感情だったりすることが多いです。

ネガティブな感情を表現することが苦手な人は、自分の中にこんなドロドロしたものがあるなんて認めたくないというのもあるのかもしれません。(綺麗なままでいたいとかね)

でも、誰でもネガティブな感情は持っているし、きちんと認めて向き合って消化して、最終的にポジティブの割合がちょっと上回ればベストだと思っています。

ネガティブな感情を扱うのはあくまでも自分のため。(誰かにぶつけるためではありません)吐き出して、気持ちを整理して、次に進むためのもの。

私も、もともとネガティブな感情を表現することも感じることもすごく苦手でしたが、溜まっていたものを1人で上手に吐き出せたときは気分爽快になりました。

(ちなみに、怒り続けちゃう人は、相手を変えようとしているか、何かこだわり続けているものがあるかもしれません。その場合は手放した方がいいかもです)

感情は認めて受け入れて、そして、新しい自分を選択していけば全然大丈夫なのだとわかったので、嫌な感情がわいてきても以前ほど慌てることはなくなりました。

ポイントは、ネガティブな感情を嫌うのではなく、上手に扱える自分になることかなと思っています。

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