つながる・コミュニケーション

パートナーをバカにしてしまう心理

2019年3月27日

「付き合って最初はよかったのに、お互いにだんだんと素が出てくるころになると、相手をバカにしてしまうようになる。見下している自分は、いい人だとは思えないので気分が悪い。」というお話を聞くことがあります。

これはどういった心理からきているのでしょうか。

確かに、一度は好きになった人を見下してしまっては気分は良くないですよね。

ちょっと考えてみたいと思います。

付き合って初期の頃はロマンスの時期で相手がキラキラ素敵に見えるものです。お互いに、良く見せようとしているというのもありますけどね。

それが慣れてくると、いい子の仮面が取れて素の自分に近づいてきます。

すると、今までは素敵だな~と思っていたのに、あれ?そうでもないぞ?ということが色々と見えてくる時期でもあります。

賢くて素敵!と思っていたのに、段取りに手間取っていたり、地図が読めなかったり、
部屋が汚かったり、身だしなみが整っていなかったりとちょっとしたカッコ悪いところを見ると「なんだ~」みたいにガッカリすることも。

「こうであってほしい」と期待していたのに、その期待が裏切られると「あーあ」となっちゃうようです。

でも、ここまでならよくあることです。イメージと違ってガッカリしたとしても、それを「バカにする」となると、少し話が変わってくるのですね。

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人は誰でも、「こういう人が好き」という好みはあると思います。

人によっては、「こうあるべきだ」みたいな美学があることもありますよね。

その、好みや、美学があることは全然問題ないのですが、そこに優劣をつける思考や攻撃性が加わっているといろいろと問題が起きるようなのです。

たとえば、「段取りに手間取るのはあんまり好きじゃない、スムーズに段取りできることが素敵なことだ」と思っている人がいたとして

ここまでは、好みや美学の範囲で、そこから外れる人がいても、バカにする、見下すという
発想にはならないと思います。

でも、「段取りに手間取るなんて、ありえない、ダサい、人としてどうか」みたいなレベルまで行ってしまうと、優劣をつける思考や、攻撃性が加わってきますよね。

私はクライアントさんに、「劣等感と優越感は、コインの表と裏のようなものなんですよ。」というお話をすることがあります。

たとえば、自分の服装のセンスに自信がなくて劣等感を持っていたとします。

劣等感を感じているときは、まわりの人は、オシャレでセンスのよい人たちに見えます。
「どうせ私なんて、センスないよな~」みたいに感じます。

ところが環境が変わってまわりにオシャレな人がいなくなると、今度は、自分が優越感を感じるようになることがあるんです。

劣等感があると、何かのきっかけによってそれが優越感に変わってしまうことがあるんですね。

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相手をバカにしてしまう、見下してしまうという心理も、この劣等感と優越感のコインの表と裏の心理と似ています。

ただの好みや美学であるのなら

(好み):「〇〇が好き、以上。」

(美学):「私は〇〇でありたいと思う。(でも自分がそうなだけであって、他の人はマネしなくてOK)。」

こんなふうに、自分事であるだけで他の人は関係ありません。表も裏もないのでただそうであるだけです。

でも、バカにしてしまう心理の裏には、何かしらの劣等感や、自分がダメなんだという思いが隠れていることが多いようです。

私も20歳前後の頃は、大好きで付き合ったのになぜか途中から大嫌いに変わってしまって困惑していたものです。それはたぶんこういうことだったんだな~。

頭の悪い自分が嫌い、そんな自分はダメだと思っていると、賢い彼氏を見つけたときは気分がいいですが、その彼氏に「これくらい考えたらわかるよね?」みたいなことが見つかると、期待が外れたことで、かえってマイナスな気持ちになったりするものです。

自分で自分のことを認めていけるようになると、彼をバカにする必要もなくなりますし、
お互いの至らない点を「もう、しょうがないね~」と親密感を持って受け入れられるようになるかもしれません 。


ホワイトデーのアフタヌーンティー。
以前は平気だったけど・・・いまやケーキバイキングみたいなのはお腹に入らないことが判明。

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