出会って間もないときはしていた気遣いも、付き合いが長くなっていくうちにいつしか忘れてしまう……ということはよくあるものです。
例えばこんなことありませんか?
パートナーと話をしていると、自分の言いたいことが通じないときがある。「いや、だからそうじゃなくて」「そういう事は言ってない」「ちがうって、だからさ」と言いながら、もー!この人には話が通じない~と思っていたら、彼の口から出た一言にびっくり。
「君はさ、そうやって、俺の言うことを否定してくる」。
「え~?!私が否定したの?いや、私だって否定されてますけど!」
なんか納得いかない…もやもやする"(-""-)"
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そうですよね、もやもやするのもうなずけます。
こういうのって、慣れ親しんだパートナーだからこそ起こりやすいのかなと思ったりもします。
自分の言いたいことを分かってもらいたいという気持ち。これは人間としてはごく自然な感情です。
だからこそ、なかなか分かってもらえていないと思えば、多少強引であったとしても、分からせたいという強い気持ちが出てきても不思議じゃないですよね。
本当はお互いに、自分の気持ちを分かってほしいだけ。
なのに、「いや、だからさ」とか「そうじゃなくて」「ちがうって」と前置きを付けることで、なんだか自分が否定されたような気がしちゃうんですよね。
パートナーは同じ感情を共有すると言われています。(その表現方法はちがうことが多いんですけどね)
もし「自分のこと否定された」と思ったとしたら、パートナーも同じようなことを感じている可能性があるんです。
お互いに、ああ言えばこう言うみたいな状況になっちゃうと、競争心が刺激されて「絶対負けたくない」「ここで引き下がるなんてくやしい~」という気持ちになってしまうことも多いです。
こういったお話を聞くと、あ~わかるわ~と思いつつ、どちらがが競争から下りないといけないだろうなぁと感じたりもします。
こういうときは、自分が欲しいものは先に与えよう、の法則に則ってみたほうが手っ取り早かったりします。
「先に与えよう」つまり「自分がパートナーのことを先にわかってあげる」ということなんですが、こういうことを言うと、たいてい「自分がもらってないのに、先にあげるなんて嫌です」という反応が返ってきます。
うん、ですよね~(;^ω^)と思いつつ、先に相手を承認しちゃったほうが自分が得られるものが大きいんだよというお話をさせていただいたりすることもありますね。
この場合でいうと、自分の言いたいことを主張しようとすると、相手を否定するようなニュアンスになっているので、相手が何か言ってきたら、まず「そうなんだね」と一旦受け止める。
自分が主張する前に、「なるほどね」「そういうことね」「あなたはそう思うのね」とワンクッション置いてみる。それから「私はね……」と話し始める。
たったこれだけを意識することでも、随分印象は変わります。相手からすると、自分が言ったことを受け止めてくれたと感じるので、その後に続く主張についても「聞いてみようかな」という気になりやすくなるんですね。
人は、自分のことをよく理解して認めてくれる人の言うことには心を開こうとします。
付き合い始めたころは、お互いにいっぱい気を使ったりしていたと思うんですよね。でも慣れてくると、良い意味でも悪い意味でも気を使わなくなってくることが多いのではないでしょうか。
関係が落ち着いてきた頃こそ、パートナーに受容と承認をすることが大切になってくるんだろうなぁと思います。それこそが、長く愛される秘訣であるかもしれませんね。
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余談ですが、自分の言いたいことを正確に読み取ってもらいたいという強い気持ちがある場合は、もしかしたら、過去に「わかってもらえなかった」出来事があって、それが痛みになっている可能性も考えられます。
すると、パートナーから分かってもらえなかったことで、「あの時もだし今回も…」というように無意識のうちに記憶がつながって、痛みが倍以上に感じられたりすることも多いです。
そういったときは、自分のことを自分で分かってあげる「自己受容」をしていくこと、信頼できる人にわかってもらう経験を積み重ねていくことで、痛みが緩和されていくことが多いので、そういった点も付け加えておきますね。