人への苦手意識をどうにかしようと克服することを目的に頑張る。そうすると、案外うまくいかないんです。
あれ??私ずーっと頑張ってきてるけど未だに苦手だわ!みたいに気づく。
こじれてくると、「なんでこんなに一生懸命やってるのに変わらないんだろう」と自分を責めてしまうことも。
でもね、そもそも苦手意識は克服しようとしなくていいんじゃないの?
私はそんなふうに思うようになりました。
人に対して苦手意識を持っている人からこんな悩みを聞くことが多いんです。
仕事中はいいんだけど、 休憩のときに話すたわいもない会話が苦手。 私にはこれといった趣味がないし 休みの日に何してるかを聞かれても 面白い話が出てこない。
職場の飲み会とか、休みの日に会ったり そういうOFFの時間も関わるのは気が重い。 仕事とプライベートは分けたい。
人と話していると距離感がつかめない というか、相手に合わせてニコニコしてる けど、家に帰るとどっと疲れちゃう。 もう一歩近づいて仲良くなることができない。
居場所がない感覚がするし、会話が 楽しめ なくて、心から笑えない。 そうすると無表情になってしまって、 何考えてるかわからないと言われちゃう。
元々人が苦手だったけど、結婚出産で しばらく家の中で過ごしてきたから 大丈夫だった。でも子どもの保育園とか 学校行事などで、ママ友と関わらなくては いけなくなってきた。 ランチ会、子どもの部活の応援、役員会・・・ みんな自分の子どもを比べて競争してて、 ママ友とおしゃべりするのが疲れる。
どの悩みも、あ~わかるわぁ・・・と思ってしまうことが多いのですが、人と関わることへの苦手意識があると、それだけでもスッキリしない気持ちになりますよね。
表面上の会話をするのは問題なくて誰とでも話せるし交流も多いけど、いざ親密になろうとするとブレーキがかかっちゃって、本当に親しい人はあまりいないという人もいれば
そもそも人と関わることが苦手だから話す人も少ない。だけど、親しくなったら一気に心を許すことができる、という人もいます。
それぞれタイプは違えど、人と関わることへの苦手意識を持っている人はみなこんなことを感じています。
私、変じゃないかな。人として欠陥があるかも。苦手意識を持つ私がダメなんだ。
これは自己嫌悪です。
人に対して苦手意識を持ってる人は、幼少期からずっとそういう感覚があってどこか居場所がないような、ひとりぼっちでうまく周りと関われない、そんな心にずっと重いものがある感覚を持っていることが多いです。
だから一生懸命なんとかしようと努力します。
人と関わるのが苦手だから克服しなきゃと頑張る。本をいっぱい読んで、心理学を学び、会話術も調べて、このダメな自分をなんとかしなければ、と。
ご相談を聞いていると、そうした努力の跡がよく見えるんです。
最近とくに思うのですが、悩みを解決しようとするとき、どこに自分の意識の焦点を当てるかというのがとても大事なんじゃないかと。
この場合でいうと、人への苦手意識を克服することをテーマにするのか、それとも苦手意識がある自分をまるごと許し受け入れていくのか。
この二つを例に取ってみても、アプローチの方向が随分変わると思うんです。
どちらが良くて、どちらが悪いということではないのですが、多くのお客さまを見ていて効果があるアプローチとして
私のおすすめは、
苦手意識を克服しようとしないこと
なんです。
それよりも、そんな自分を受け入れて許し、自分なりのやり方・人との関わり方を模索すること。
なぜかというと、こうした悩みで一番苦しいのは人に対して苦手意識があることそのものではなく、苦手だと思ってる自分がダメなんじゃないかと思うその心だと思うからです。
自己嫌悪があることが、一番苦しいこと。私はそう感じています。
自分はダメだ、おかしいんだ。その発想がベースにあると、どんなに頑張って積み上げてみてもやっぱりうまくいかないし、自信がつかないままなんです。
それよりも、人には得意なものと苦手なものがあるのは普通だから、私にはちょっぴり苦手なんだなと認めちゃったほうが楽になります。
もし苦手だとしたら、苦手分野なのに逃げずになんとかしようとしていること自体がすごいことじゃないでしょうか。良く頑張ってるよね、私!と褒めてあげたくなるくらいかもしれません。
人への苦手意識がある自分をどうか嫌わないでもらいたいなと思っています。
それは自分という人間の一部の特徴に過ぎません。
みんなと同じようにできなくてもいい。誰かと同じように、社交的で積極的に人と関わり合いに行くことができなくても、自分なりのやり方・自分なりのペースを見つけていきましょう。
「自分なりの」というのがポイントです。
私はどんな付き合い方・関わり方をしていけば、楽しく過ごすことができるのかを探す。
もし、目指したい姿があるのなら、そのために苦手なことをやるというのも時には必要かもしれません。
そうであっても、私、苦手なのによく頑張ってるな~とねぎらいながら自分なりの関わり方を探していく。
そのときにひとりでやらなくてもいいのです。わからないことがあれば、誰かに教えてもらう。一緒に考えてもらう。
カウンセラーもどうぞ使ってみてください。身近な人には言えないけど、第三者になら言えることもあると思うのです。
人と協力しながら進めていけたら、その分アイデアが増えるし、少しは気分が楽になるんじゃないのかなと思います。