昨日に引き続き本日も大阪セミナーでの印象的なお話を取り上げます。
一言一句は覚えていないのですが、「私たちは自信がないとき、上の人を下にさげて、あの人はこういうところがイマイチだなど文句を言って、下でつながろうとする。でも、あの人は素晴らしい人だ、たとえばこういうところなどはすごいといって、上でつながることもできる」というニュアンスのお話がありました。
このお話を聞いて、自分にも身に覚えがあり、あぁ本当にその通りだなと思ったのです。
「権威との葛藤」真っ最中だったときには、上の人に心の中で文句を言い、下げることで安心していたことがあったなぁと思い出します。
※権威との葛藤とは、目上の人、たとえば上司などに対して苦手意識を持ったり攻撃的な気持ちを抱くことを言います。この心理があると、自分が権威を持つリーダーの立場に立つことができなくなるという問題が生じます。
(もっと詳しく知りたい方は、こちらの心理学講座をご参考に。)
相手のダメなところを見て「なぁんだ〇〇さんでもそうなのか、親近感がわくな~」と親密感を感じる話とは違って、相手を下にさげることで「ほらこんなダメなところあるじゃん」と責めているので、下でつながってもいい気分かと言われるとそうではないですよね。
あなたは素晴らしいところがあるね!と素直に賞賛できたら気分はいいですが、それができるようになるためには成熟さが必要です。
それに「競争」(張り合うこと)を手放さないと難しいですよね。競争とは、人と自分を比べること。私たちがよくやってしまう「人と自分を比べて凹む」アレです。
競争はパートナー間でもよく起こります。パートナーが誰かに褒められて、うれしそうにしていると、文句の一つでも言いたくなったり、パートナーの方が自分より仕事がうまくいっていて評価されたりしていると自分がひどくちっぽけな存在のように感じたり。
パートナーの方が上だと思うと、私なんかが愛される資格あるのかしら?と不安になることもあるでしょう。
一方、自分が勝っていると思えるときは気分は落ち着いていますが、満たされているかといえばそうではなく心は物足りなさを感じていたりします。ずっと勝っているとつまらなくなってきたりします。
パートナー側から見ても、張り合われていることは感じるものです。負けたら気分が悪いでしょうし、勝つと下にさげられるのでそれも気分は良くない。
お互いに勝っても負けても、あんまりいいことがないのです。
であれば、競争という枠組みから抜け出せるといいですよね。
誰かを下にさげてなぐさみの安心を感じるのではなく、お互いの素晴らしさを承認し合い心からの充足を得る。
そのためには負けてると感じたときの嫌な感覚にヒントがありそうです。
負けを認める(受け入れる)ときに感じる嫌な気分には過去のハートブレイクが関係しています。
みじめな気分?
存在価値がない感覚?
味方がいない感覚?
失敗感?
受け入れ、そして愛すべきは過去のハートブレイクが起きたときの自分のようです。
ずっとずっとフタをしてなかったことにしていたかもしれませんが、本当に見てもらい受け入れてもらいたかったのは、傷ついたときの自分なのかもしれませんね。
自分に自信がないときは、ついつい口癖のように「どうせ私なんか愛されない」「私にはいいところないんです」と言ってしまいがちですが、それを言われている「もうひとりの自分さん」の立場になって聞いてみたらとても悲しくなりますよね。
いちばん近くにいて、いちばん理解してほしいはずの「自分」にそんな扱いをされているとしたら…。
そろそろ自分を愛して大切にしてあげてもいいのかもしれません。
当時の自分を受け入れ、傷を癒し、よき理解者になることができたら、人のすごい部分を見たときも、下にさげることなく素直に「すごいね!」と上でつながることができるでしょう。
そういう自分になれたときは、パートナーシップはもちろん人間関係の風通しもよくなりたくさんの理解者や協力者が現れてくるはずです。