「いやいや、あなた、そんなもんじゃないでしょう」|カウンセラーになる前から思っていたこと

先日、ふと自分に聞いてみたんです。

「なんで私、こんなにカウンセラーの仕事を手放したくないんだろう」

理由はいくつもある気がするんですが、考えていたら、ずいぶん昔のことを思い出しました。

心理学を学ぶ前。まだ会社員だった頃の話です。

目次

入社した頃は、キラキラしていた同期

新卒で入った会社に、明るくて素敵な同期の女の子がいました。

小柄で、目がくりくりしていて、とてもかわいい子。愛嬌があって、同期の中でも華があって、キラキラしていました。

ところが、しばらくすると、その子の様子がだんだん変わっていきました。

仕事でいろいろあったようで、毎日のように遅くまで働いて、目の下にはクマ。表情も、ずーんと暗くなっていって。

すっかり自信をなくして、「もう私なんかダメ」。そんなふうに思っているように見えました。

私は当時、別の部署にいたので、「えー!?何があったん!?」と思いました。

そして、その子を見ながら、心の中でこんなことを思っていました。

「えー!あなたには素晴らしいところがあるんだよ!

もうそんなの仕事だかなんだか、そんなのは!

もっとすごいんだよ、すでにあるんだよー!もったいなーい!」

当時の私は、まだ心理学も学んでいません。カウンセラーになるとも思っていませんでした。

ただ、その子を見ていたら、そう思ったんですよね。

合わない場所なら、違うところに行っていい

今振り返ると、私がその子に思っていたのは、こういうことでした。

そんなに合わない場所なら、粘ってがんばるより、見切りをつけていい。もっとのびのびできるところがある。

心も体も、あんなにつらくなるくらいの仕事なら、そこまでがんばらなくていい。

それで自分をダメに思う必要なんて、まったくない。

私が会いたかったのは、入社した頃みたいに、明るくて元気で、キラキラしているその子でした。

仕事がうまくいっていないからといって、その子自身までダメになったわけじゃない。

なのに、本人まで自信をなくしているように見えた。

それが、すごくもったいなかったんです。

「気づけたら、それで十分なんじゃない?」

その後、私はカウンセラーになりました。

いつだったか、この話をしたときに、「その人自身が、自分の素晴らしさに気づけたら、それで十分なんじゃない?」という話になったことがあります。

それを聞いた私は、「ええぇえぇ~、そこで終わりなの!?」と思いました。

自分のいいところに気づくのは、もちろん大事です。

そのうえで、私はそこから先も見たいんですよね。

今もクライアントさんと話していると、「いやいや、あなた、そんなもんじゃないでしょう」と思うことがあります。

ただ、その人が抱えているものを聞いていると、「もったいなーい!」なんて簡単には言えないよな、と思うこともあります。

それでも、本人が「私にはない」「私はできない」「私なんて、このくらいしかできない」と思っているのを聞いていると、「いや、あるじゃん」と思うんです。

本人にとっては当たり前すぎて、自分では気づいていないこともあります。

うまくいかなかった経験が続いて、自信をなくしていることもあります。

周りから言われてきたことを、いつの間にか「私はそういう人なんだ」と思うようになっていることも。

気づいて終わり、だと物足りない

そして、「私にも、いいところがあるんですね」と気づいて、そこで終わってしまうと、私はたぶん、「……何か変わった!?」と思います。

せっかく気づいたなら、「私、案外いけてるのかも」と思えるところまで行ってほしい。

「私にはこれしかない」「ここでやっていくしかない」と思っていた人が、「他でもやっていける気がする。そのうえで、私は今これを選ぶ」と思えるようになるかもしれない。

「じゃあ、私は違うところに行ってみよう」と動く人もいるかもしれない。

同じ場所にいてもいいし、違うところに行ってもいい。

自分に何があるのかが分かって、その先で「じゃあ、私はどうしたい?」と考えられるようになっていく。

私は、そこまで見たいんだと思います。

何を選ぶかは、その人が決めること

もちろん、私から見て「いやぁ~、もっといけるのにもったいないな!」と思うことはあります。

ありますけどね(笑)。

けれど、その人の人生です。

私だって、自分で「これがいい」と思っているのに、横からずっと「そんなのもったいないよ」と言われたら嫌ですしね。

私がいいと思う生き方を、その人に押しつけたいわけじゃありません。

本人が十分に考えて、「私はこれがいい」と納得して、自信を持って決めたなら、それが一番だと思っています。

「いやいや、あなた、そんなもんじゃないでしょう」

思い返してみると、私はカウンセラーになる前から、人の「もったいない」が気になっていたようです。

あんなに明るくて、元気で、キラキラしていた同期が、仕事で自信をなくしていくのを見て、「もっとすごいんだよ、すでにあるんだよー!」と思っていた。

そして今も、クライアントさんと話していると、「いやいや、あなた、そんなもんじゃないでしょう」と思うことがあります。

本人もまだ気づいていなかったものが見つかって、本人も「あ、私にはこういうところがあるんだ」と分かっていく。

そういうところに立ち会えるのが、私は好きなんだと思います。

だから私は、この仕事を手放したくないんだろうな、と。

たぶん、こういうことなんじゃないかなと思っています。

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この記事を書いた人

高見綾|女性リーダー専門の心理カウンセラー

職場の人間関係に消耗している女性リーダーが、自分を責めずに前へ進めるようになる専門家。

嫉妬・摩擦・正論が通らない——
その構造を心理の視点で整理し、
「私はこれでいく」と判断できる状態をサポートしています。

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【著書・実績】
▶ 著書「ゆずらない力」(すばる舎)韓国語版も出版
▶ カウンセリング・相談 累計4,000件以上
▶ 名古屋・総合病院にて医療スタッフ向け「怒りの心理学」セミナー

【メディア出演・掲載】
▶ NHK「あさイチ」職場の嫉妬・妬み特集 VTR出演
▶日本テレビ「上田と女がDEEPに吠える夜」フレネミー特集 監修
▶ フジテレビ「ポップUP!」取材協力・フリップ出演
▶ interFM「レコレール」ゲスト出演
▶ anan・eclat・女性セブン・女性自身など女性誌多数掲載
▶ 読売新聞・発言小町 掲載
▶ 小学館@DIME 心理学コラム掲載
▶ マイナビウーマン(株式会社マイナビ)心理学コラム掲載
▶ セキララ☆ゼクシィ(リクルート)監修
▶ PHP研究所「PHPスペシャル」コラム多数・ベストセレクション選出
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