なぜか気を使われる人ー有能な人ほど、距離を置かれる理由ー

気を使われてしまう感覚とは、有能さや基準の高さが、無意識のうちに「壁」として伝わっている状態のことです。

「そんなつもりはないのに、なんだか気を使われている気がする。」

そんな感覚、ありませんか?

会議で意見を言っても、少し間があってから反応が返ってくる。仕事を任せても、「本当にこれでいいですか」と、何度も確認される。

職場では頼りにされているけれど、どこかで、気を使われているような感覚がある。

今日は、その「気を使われてしまう」感覚について、一緒に考えていきたいと思います。

目次

なぜ、有能な人ほど、周りに壁をつくらせてしまうのか

あなたが有能であればあるほど、周りからは、少し近寄りがたく見られていることがあります。

実は人は、無意識のうちに、相手を「有能かどうか」と「温かいかどうか」で判断しています。

そして、社会的な立場が高い人ほど、能力は認められても、温かさは低く見積もられやすい、という偏りがあることがわかっています。

だから、あなたがこれまで積み上げてきた実力そのものが、意図せず「近寄りがたさ」になっていることがあるんです。

自分にも他人にも高い基準を持っている人ほど、周りは「このレベルで大丈夫かな?」と、そっと様子を見るようになっていきます。

中には、怒られるかもしれない、と身構える人が出てくることもあります。

タイプ 原因 周りにどう気を使わせるか
有能さ・厳しさタイプ 基準が高く、隙がないように見える 「このレベルで大丈夫かな」と気を使いながら様子をうかがわれる
自分を隠すタイプ 弱さ・欠点を見せないようにしている 「何を考えているかわからない」と気を使われる

私も、気を使われていました

私も、長いあいだ、気を使われていたなと思います。

私の場合は、自分を隠すことで、周りに気を使わせてしまうタイプでした。

「ちゃんとしなくちゃ」と思っていたし、いつもできる人でいたい。そう思っていたんです。

だから、失敗やうっかりさんなところは、なるべく見せないようにしていました。

職場にいた、ある先輩は、私とは真逆のタイプでした。

よく周りにいじられていて、その人がいないところでも話題に上がる人でした。

あるとき、私が「あの先輩、よくいじられてますよね」と話したら、「あの人は気を使わせないからなぁ」という言葉が返ってきたんです。

正直、ガーンとなりました。自分はまったく逆だ、と気づいたからです。

「綾さんはどうしますか?」と、なんとなく気を使われているような、一歩引いた聞き方をされていたことを、思い出しました。

その先輩は、ちょっとドジなところもオープンにしていました。

たぶん、もともと隠すのが苦手なタイプだったんだと思います。だからこそ、安心感があったんですよね。

私は逆に、自分を隠すことに一生懸命で、「何を考えているかわからない人」に見えていたんだと思います。

あるとき、気を抜いて鼻歌を歌っている自分を、うっかり見せてしまい、周りが少し驚いた、なんてこともありました。

それができたのは、そのとき隣にいた友人の前では、自然体でいられたからだと思います。

壁を、少しずつゆるめていくために

けれども、気を使われたままでいると、少しずつ疲れがたまっていきます。

いつも気を張っていなければならないし、本当に安心できる関係は、なかなか育っていきません。

信頼されているのに、どこか孤独。そんな感覚を抱えたまま過ごすことになってしまいます。

だからこそ、少しずつ、その壁をゆるめていくことが大切なんです。

仕事に対する姿勢はそのままでOKです。

大事なのは、他の人と少し反応が違う、「この人になら」と思える相手を見つけることです。

そういう相手には、少しだけ話してみる。少しだけ、自分を見せてみる。ということをしていくと…

その人と一緒にいるときは、自然と力が抜けて、不安がふっと軽くなる。

そうすると不思議なもので、その相手だけでなく、他の人への態度まで、少しずつマイルドになっていきます。

それまでは、無意識のうちに「ちゃんと結果を出さなきゃ」「わかってもらうために説得しなきゃ」と、ファイティングポーズを取り続けていたのが、

理解者が一人できると、「一緒に考えようか」と、余裕を持って構えられるようになっていくんです。

表情も、少しずつやわらかくなっていきます。まずは、あなたにとって安心できる相手が誰か、一度考えてみませんか。

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よくある質問

Q
なぜ、有能な人ほど、周りから距離を置かれやすいのですか?
A
人は他者を「有能さ」と「温かさ」という2つの軸で無意識に判断していて、社会的な立場が高い人ほど、能力は認められても温かさは低く見積もられやすいことが心理学の研究でわかっています。

実際にカウンセリングをしていても、仕事を頑張っていたら「気づいたら距離を置かれていた」というご相談をいただくことがあります。

人柄の問題ではなく、そういう見え方の仕組みだと思っておいてください。

Q
気を使われないようにするには、弱さを見せた方がいいですか?
A

有能な人がちょっとした失敗を見せると好感度が上がる、という研究(プラットフォール効果)はあります。

ただし後続の研究では、この効果は男性でより強く出て、女性の場合は効果が弱まったり、逆にマイナスに働くこともあると報告されています。

無理に弱さを見せようとする必要はありません。

それより、『この人になら』と思える相手に、少しずつ自分を出していくのが良いかもしれません。

Q
信頼できる人を見つけると、何が変わりますか?
A
心理学の愛着理論では、信頼できる関係が一つあるだけで、防衛的な反応や緊張感が和らぐことが示されています。

私自身もそうでしたが、一人の理解者ができると、他の人への構え方まで少しずつ変わっていきます。

安心感は、その相手だけに留まらないんですよね。

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この記事を書いた人

高見綾|女性リーダー専門の心理カウンセラー

職場の人間関係に消耗している女性リーダーが、自分を責めずに前へ進めるようになる専門家。

嫉妬・摩擦・正論が通らない——
その構造を心理の視点で整理し、
「私はこれでいく」と判断できる状態をサポートしています。

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【著書・実績】
▶ 著書「ゆずらない力」(すばる舎)韓国語版も出版
▶ カウンセリング・相談 累計4,000件以上
▶ 名古屋・総合病院にて医療スタッフ向け「怒りの心理学」セミナー

【メディア出演・掲載】
▶ NHK「あさイチ」職場の嫉妬・妬み特集 VTR出演
▶日本テレビ「上田と女がDEEPに吠える夜」フレネミー特集 監修
▶ フジテレビ「ポップUP!」取材協力・フリップ出演
▶ interFM「レコレール」ゲスト出演
▶ anan・eclat・女性セブン・女性自身など女性誌多数掲載
▶ 読売新聞・発言小町 掲載
▶ 小学館@DIME 心理学コラム掲載
▶ マイナビウーマン(株式会社マイナビ)心理学コラム掲載
▶ セキララ☆ゼクシィ(リクルート)監修
▶ PHP研究所「PHPスペシャル」コラム多数・ベストセレクション選出
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