「このままでいいのか」と感じるのは、頑張ってきた証です。
野村総合研究所の調査(2025年)では40代・50代就労者の半数以上がミッドライフクライシスを経験しており、これは人生の転換点のサインです。
答えがすぐ出るものではないので、まず「私はどうしたいのか」と自分に問いかけることが最初の一歩になります。
仕事が終わって、ひとりになった夜。
今日もちゃんとやった。チームのことも考えた。
けれど、「このままでいいのかな」って、ふと思ってしまう。
これまでもやるだけのことはやってきたはず。 なのに、なぜこう感じるんだろう。
「ネガティブになってるだけだ」
「こんなこと考えても仕方ない」
そう打ち消して、翌朝にはまたいつもどおりに仕事をする。
そういうことが、続いていませんか?
実は、野村総合研究所の調査(2025年)では、40代・50代就労者の半数以上がミッドライフクライシスを経験していると回答しています。
「危機」という言葉から、少し怖いイメージを持つかもしれません。
ただ、私は思うんですよね。
これは危機ではなく、あなたが次のステージに進もうとしているサインなのかもしれない、と。
この記事では、その正体と、この問いとどう付き合うかを一緒に考えていきたいと思います。
「このままでいいのかな」──頑張ってきた人ほど、夜に浮かぶ問い
ご相談の中で、こんなお話が出てくることがあります。
「夜になるとふと、虚しくなることがあるんです。このままでいいのかなぁ、って思うんですよね。」
こうおっしゃる方は、周りからは充実しているように見られていることもあります。
こういった気持ちになるのは、実は構造的な理由があります。
管理職として働いていると、仕事中は「結果を出すこと」「チームを動かすこと」に集中せざるを得ないですよね。
すると自分の内側の声を聞く時間は、どんどん後回しになっていく。
そして夜、ひとりになってはじめて、自分の内側の声が聞こえてくるんです。
毎日忙しいと、「こんなこと考えてる場合じゃない」「明日に向けてプレゼンの準備をしなくちゃ」と思いやすいものですが、実はとても大切なサインだと私は感じています。
本気で生きてきた人ほど、この問いが出てくる
少し、考えてみてほしいことがあります。
「このままでいいのかな」という感覚は、誰でも浮かぶわけではありません。
なんとなく日々を流しているだけでは、こういう気持ちは出てこないんですよね。
仕事に対して、「こうありたい」という気持ちがある。
誰かの役に立ちたい、社会をもっと良くしたい、という想いがある。
その気持ちがあるからこそ、今の現実とのズレを感じる。
使命感を持って仕事をしてきた人ほど、こういった感覚が出てきやすいように感じます。
私自身の話を、少しだけさせてください
20代は、ただがむしゃらに突き進んできました。初めての仕事が面白くて発見がいろいろありました。
それが、仕事にも慣れてくると、「こんなものか」と感じたり、どこか物足りなさを感じることが増えてきたんです。
「このままでいいのかな」という気持ちが出てくる時期がありました。
今ならわかります。あれは、変化のサインだったんですね。
ミッドライフクライシスとは──危機ではなく、転換点のサイン
「ミッドライフクライシス」という言葉を聞いたことはありますか?
日本語では「中年の危機」と訳されることが多く、ちょっと怖いイメージがあるかもしれません。
野村総合研究所の調査(2025年)では、40代就労者の52%、50代就労者の54%がミッドライフクライシスを経験していると回答しています。
あなただけが感じていることではないんですね。
少し、思い返してみてほしいのですが、20代・30代前半、あなたはどんなふうに仕事をしていましたか?
きっと、「どう結果を出すか」「どう認められるか」に全力を注いでいた時期があったはずです。
それがひと段落して、ふと立ち止まる。
「で、私はどうしたいんだっけ?」という気持ちに変わっていく時期が来るんですよね。
これは自然なことだと思っています。
「危機」と名づけてしまうと、なんとかしなければ、という気持ちになるけれど、
「転換点のサイン」と受け取れたら、少し違う向き合い方ができるんじゃないかと私は感じています。
上に行くほど孤独になる、という感覚のこと
管理職の方とお話していると、よく出てくる言葉があります。
「上に行けば行くほど、孤独になっていくんですよね」
管理職になると、チームのことは話せても、自分の迷いや不安を話せる場所が減っていきます。
頼りにされているから、下の立場の人には言えない。上の人には言いにくい。
同僚とはもちろん話すけど、本音で話せているかというと、そうでもない。
上に行くほど、本音を話せる場所が減っていく。
「このままでいいのかな」という気持ちになっても、それを話せる相手がいない、なんてことも。
そうなると、ひとりで打ち消して、翌朝にはまた仕事モードに戻る。そういうサイクルになりやすいんですね。
私自身にも、こういうことがありました。
以前、大規模なセミナーの裏方をしたときのことです。
セミナーが無事終わり、他のスタッフと「お疲れさま!」と労い合いながらも、私は特に感慨が湧いてこず、「やれやれ」といった感じでした。
けれど、みんなが帰った後、空っぽの会場に1人残り、鍵をかけようとした瞬間、急に涙がこぼれてきたんです。
そのとき初めて、「私、実は大丈夫じゃなかったんだな」と気づきました。
頑張っている最中は気が張っていてわからなかったけど、ひとりになって、ホッとしたときにはじめて本音が出てきたんだなと。
「この気持ちを誰にも話せない」という状態が、じわじわと消耗させていくことがあります。
「私はどうしたいのか」を自分に聞いてみる
では、この気持ちとどう向き合えばいいのか。
私が一番大切にしているのは、まず「なかったことにしない」ことです。
見ないふりをしようとしても、消えないんです。
それだけ、自分が、自分に「本音が聞いてほしがっている」からかもしれない、と私は感じています。
すぐに答えが出なくていいし、すぐに解決しようとしなくていい。
「私はどうしたいのか」を自分に聞いてみてほしいんです。
「仕事の先に、何があってほしいと思う?」
「どんな関係の中で働きたい?」
「今の自分に、何が足りなくて、何があればいい?」
細かく聞いていくと、「それは違う」「こっちがいい」という感覚が、少しずつ出てきます。
たとえば、もっと「あなただから一緒に仕事したい」と言ってくれる人たちに囲まれて、社会を良くする仕事ができている。そんな未来に進んでいきたいとか。
パートナーと本音で語り笑いあえている、そんな理解者が周りにいる状態がほしいとか。
なりたい自分は、一回決めてそれで終わりではなく、何回でも更新していくもの。
まず、「自分に聞いてあげること」から始めてみてください。
まとめ:その問いは、あなたの正直な声
「このままでいいのかな」という気持ちが出てきたということは、
あなたの中に「こうありたい」という気持ちがある、ということ。
ミッドライフクライシスは、「次のあなたに向けて、何かが動き始めているサイン」。
自分の正直な声が聞こえる状態をつくっていくことで、次のステージに進んでいけると私は思っています。
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こちらの記事もあわせてどうぞ。

よくある質問
40〜50代に起こりやすい、「このままでいいのか」「自分は何のために働いているのか」と、自分の生き方を見つめ直したくなる時期のこと。
心理学では人生の転換期に自然に起こるプロセスとして位置づけられています。
野村総合研究所の調査(2025年)では、40代・50代就労者の半数以上が経験していることが明らかになっています。
本気で「こうありたい」という気持ちを持って働いてきた人ほど、今の現実との間にズレを感じやすくなります。
こういう気持ちが出てくるのは、あなたの中に「こうありたい」という気持ちがあるサインです。
まず、なかったことにしないことです。
「こんなことを考えてもしかたない」と思わずに、「私はどうしたいのか」と自分に聞いてみてください。
答えはすぐ出ないかもしれませんが、向き合い続けると、少しずつ本音が見えてきます。
40代以降、更年期とミッドライフクライシスが重なって訪れるケースがあります。
ホルモンバランスの変化が「このままでいいのかな」という内省を深める引き金になることも。
また、女性管理職に多いのは「誰かのために頑張る」ことに長けている分、「私はどうしたいのか」という気持ちを後回しにしてきた、というパターンです。
ずっと誰かのために全力でやってきた。その時間が長ければ長いほど、こういう感覚が出てきやすいのかもしれません。
こういう気持ちときちんと向き合った先に、「自分らしい生き方の再設計」が待っていることが多いです。
仕事への向き合い方が変わった、大切にする関係性の優先順位が変わった、やりたいことが見えてきた──そういう変化を経験される方が多くいます。
ミッドライフクライシスは、次のステージへの通過点だと言えるかもしれません。